拷問の意味を正しく理解していますか?
「拷問って無知で叩いたりとかするやつでしょ?」
「ギロチンとか、絞首台みたいなやつのこと」
「警察が自白させるために取調室でやってるやつ」
「俺、本当にドSだから女を拷問するの大好きなんだよね〜」
これらは全て、私が耳にしたことがある拷問についての発言です。あらかじめ断言しておきますが、
全部誤用です!
完全に的はずれであるとまでは言いませんが、これらは拷問の本質から外れた解釈であると言わざるを得ません。
では、具体的に拷問とはどんなものなのか? これから説明しましょう。
拷問の定義
Wikipediaの拷問の項目には、以下のように書かれています。
拷問(ごうもん、英語: Torture)とは、被害者の自由を奪った上で肉体的・精神的に痛めつけることにより、加害者の要求に従うように強要する事。特に被害者の持つ情報を自白させる目的で行われることが多い。英語の「Torture」は「苦痛を与えること」という意味もあり、苦痛を与えることによる処罰・復讐・政治再教育・矯正行為も含まれる。
これが、拷問の定義です。
つまり拷問の本質とは、痛めつけることと強要することの2点であり、片方でもかければそれは拷問ではないということです。ただ単に、痛めつければよいという物ではないわけですね。
実際には、ただ単に痛めつけるだけの行為でもその残虐性の高さや儀式的な要素を考慮して拷問と呼ぶこともありますが、それは誤用です。
正直に言うと、これを知ってもらうことがこのサイトを作った目的の8割です。絶対に覚えて帰ってくださいね。
現代日本と拷問
普段、私達が生活していて拷問を身近に感じることはほとんどありません。ニュース番組でアナウンサーが「先日逮捕された殺人事件の容疑者が、警察の拷問により犯行を自白しました」なんて言ってるの、聞いたことないですよね? あったら放送事故です。
実はこれには理由があります。何を隠そう、あの日本国憲法で拷問に関する取り決めがされているんです。それがこちら。
第36条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
公務員と書かれていますが、つまり警察のことです。
長々と色々なことが書かれている日本国憲法ですが、絶対に禁止と明記されているのは唯一拷問の項目だけです。それだけで、日本がいかに拷問を禁止することが重要だと考えられているかが分かりますね。ちなみに、拷問に関する記述はもう1つあります。
第38条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
仮に警察が被疑者を殴ったり蹴ったりして自白を強要したら、例えそれで自白したとしても逮捕できないということです。実際、もう10年以上も昔の話ですが、警察が被疑者に対して拷問まがいの行為をしたことが問題になったことがありました。今ではもう行われていないと思いますが、怖い話ですね。