CIAの拷問描写が素晴らしい『ゼロ・ダーク・サーティ』

現代において、拷問は絶対にやってはならないことであり、人類の負の遺産ではあるものの、過去の物となりました。

……の、はずなのに、実はアメリカのCIAが思いっきり拷問していましたというのが文書で公開されたのが2014年のことです。

彼らの言い分によると、これは拷問ではなく強化尋問術らしいですけどね。

呼び名はどうでも良いとして、そんなCIAの拷問(と、テロリストとの戦い)をテーマにした映画を見ました。

タイトルは『ゼロ・ダーク・サーティ』。2012年の映画です。

拷問は最初の方だけ

映画の具体的な内容については他の誰かが紹介していると思うので、ここでは多くは触れません。

というか、上で書いた「CIAによるテロリストとの戦い」が全てです。

こういうテーマが好きな人には刺さるんじゃないでしょうか。私も好きです。

ですが、私が最も語りたいのはそこではありません。

この映画で最も語りたいこと、それはもちろん拷問です。

残念ながら(?)拷問シーンは冒頭の短い時間だけであったものの、かなり満足できる内容になっていました。

特殊な拷問具を使うわけではないのですが、拷問を「尋問の手段としての暴力」だと位置付けているのが良かったです。

1つだけ特殊な拷問がありました

特殊な拷問具を使わないと言いましたが、1つだけ登場した拷問具がありました。見た目は単なる箱なので、拷問具っぽく見えなかったかもしれませんが。

あれはその見た目通り「box」、つまり「箱」と呼ばれる拷問具です。

他にも「sweat box」や「hot box」と呼ばれることもありますが、これはそれぞれ個別の拷問具というわけではありません。拷問により得られる効果を指した名称です。

使い方は至ってシンプルで、作中でもしていたように犠牲者を中に押し込めるだけ。

かなり小さな箱なので、押し込められた犠牲者は身動きの取れない不自由な状態を強制されることになります。

また、蓋を閉めることにより生まれる暗闇や閉塞感、息苦しさは苦痛を増大させたことでしょう。

これは元々、奴隷に対して罰を与えるために使われた道具でした。

その使いやすさ、用意のしやすさ、そしてなにより苦痛の大きさが、拷問具として再利用された由縁でしょうね。

拷問をしていない間に騒音責めをしていたのが高ポイント

拷問(尋問)をしない夜の間、犠牲者を眠らせないようにするために音楽を大音量で流し続けるというシーンがありました。

時間にすれば数秒のシーンなのですが、個人的に一番お気に入りのシーンです。

流れていた音楽はおそらく現実と同じようにヘビィメタルだと思いますが、私には詳しい曲名などは分かりませんでした。

音楽に詳しい人なら、あのシーンから曲名が分かったりするのでしょうか。

現実と同じというのは、CIAが尋問でヘビィメタルを利用したという意味です。

こんな部分までよく再現したなと、感動してしまいました。

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